虫に刺されて水ぶくれができた時、その後の対処や予防のためにも、原因となった虫の正体を知りたいと思うのは自然なことです。水ぶくれを伴うひどい皮膚炎を引き起こす代表的な虫には、いくつかの種類があり、刺された状況や症状からある程度推測することが可能です。まず、夏のキャンプや渓流釣りなど、水辺のアクティビティで被害に遭うことが多いのが「ブユ(ブヨ)」です。ブユは蚊のように刺すのではなく、皮膚を噛み切り吸血します。そのため、刺された直後は出血を伴う小さな赤い点が見られ、数時間後から翌日にかけて、激しいかゆみとパンパンに腫れ上がる硬いしこり、そして中心に水ぶくれを形成することが特徴です。次に、海岸や水田、湿地などで発生し、非常に小さく肉眼では見えにくい「ヌカカ」も厄介な相手です。体長一ミリ程度で網戸も通り抜けてしまうため、気づかないうちに刺されていることが多く、翌日以降に猛烈なかゆみと赤いブツブツ、そして小さな水ぶくれが多発します。症状がブユと似ていますが、より広範囲に多数の刺し口が見られるのが特徴です。また、庭仕事や公園の散策中に注意したいのが「毛虫」です。特にチャドクガの幼虫が持つ毒針毛(どくしんもう)は、風で飛散するため、直接触れなくても皮膚に付着することがあります。触れた直後からピリピリとした痛みと共に赤いブツブツが広範囲に現れ、強いかゆみと小さな水ぶくれを伴う皮膚炎を引き起こします。首や腕など、露出している部分に線状に発疹が出ることも特徴的です。さらに、体液に毒を持つ「アオバアリガタハネカクシ(やけど虫)」も水ぶくれの原因となります。この虫を潰した際に出る体液が皮膚に付着すると、数時間後、まるでやけどをしたかのように線状に皮膚が赤く腫れ上がり、痛みを伴う水ぶくれができます。これらの虫の特性を知ることで、今後の予防策にもつながります。
この水ぶくれどの虫が原因なの