ある晴れた土曜日の午後、庭の手入れをしていた私は、ツツジの茂みの奥に奇妙な物体があるのを見つけました。それは一見すると、誰かが置き忘れた小さな茶色のとっくりのようで、非常に精巧な作りをしていました。表面は薄い紙を何枚も重ねたような独特の模様があり、入り口と思われる部分は細長く下を向いていました。私は最初、これが何かの工芸品かと思いましたが、しばらく観察していると、一匹の大きなハチがその細い口から中へ入っていくのが見えました。その瞬間に、これが蜂の巣であることに気づき、背筋に冷たいものが走りました。私はすぐに家の中へ戻り、インターネットで「蜂の巣 種類」というキーワードで検索を始めました。調べていくうちに、私が見つけたのはコガタスズメバチの初期の巣であることが分かりました。スズメバチといえば、テレビで見るような巨大なボール型の巣を想像していましたが、春から初夏にかけての作り始めの時期には、このような「逆とっくり型」という非常にユニークな形状をしているのだそうです。この形状は、まだ女王蜂が一匹で巣作りをしている時期に、外敵から中の幼虫を守り、かつ内部の温度を一定に保つための非常に合理的な形なのだと知り、その生命の神秘に少しだけ感動を覚えました。しかし、感動してばかりはいられません。さらに調べていくと、この「とっくり型」の時期を過ぎ、働き蜂が羽化し始めると、巣の入り口が噛み切られて球体へと変化し、攻撃性が劇的に高まるという情報が出てきました。私が見た巣は、まだ入り口が長いままだったので、おそらく女王蜂が一人で奮闘している段階だったのでしょう。私は、このまま放置しておけば庭が危険な戦場に変わってしまうと確信し、すぐに専門の駆除業者に連絡しました。業者の人が到着して巣を確認した際、「これは見事なコガタスズメバチの巣ですね」と言われ、やはり自分の特定が正しかったことを再確認しました。駆除作業はあっという間に終わりましたが、切り離された巣を近くで見せてもらうと、その外壁は驚くほど薄く、それでいて弾力がありました。蜂の種類によって巣の形がこれほどまでに変化し、かつ成長の過程でその姿を劇的に変えるという事実は、実際に自分の庭で体験しなければ決して実感できなかったことでしょう。あの日、もし私がこのとっくり型の物体をただのゴミだと思って手で触れていたらと思うと、今でも冷や汗が出ます。蜂の巣の種類を知ることは、単なる知識ではなく、自分自身を守るための重要な防衛術なのだと痛感した出来事でした。