アシナガバチの巣を自分で駆除すると決意したなら、その成否は準備段階で9割決まると言っても過言ではありません。蜂の攻撃から身を守るための服装と、確実に巣を仕留めるための道具。この二つが完璧に揃っていなければ、作戦を実行する資格はないと心得るべきです。まず、最も重要なのが服装です。蜂は黒い色や動くものに激しく反応する習性があるため、服装は白を基調とした、なるべく厚手のものを選びます。理想は、作業用の白い防護服や、雨合羽です。これらは表面が滑りやすく、蜂がとまりにくいという利点もあります。頭部は、養蜂家が使うような防護ネット付きの帽子が最も安全ですが、手に入らない場合は、厚手の帽子の上に白いタオルを巻き、その上から目の細かいネットを被るなどして代用します。首元はタオルを巻いて隙間をなくし、顔はゴーグルやマスクで保護します。手には、蜂の針を通さない厚手の革手袋や、ゴム手袋を二重に着用します。そして、意外と見落としがちなのが足元です。ズボンの裾は必ず長靴の中に入れ、蜂が下から侵入する経路を完全に断ち切ります。肌の露出は一切ない状態、それが最低限の安全基準です。次に、駆除に使用する道具です。主役となるのは、蜂専用の殺虫スプレーです。これは、強力な噴射力で遠くまで薬剤が届くように設計されており、最低でも2本は用意しておきましょう。飛距離が3メートル以上あるものを選ぶと、安全な距離を保ちながら作業ができます。そして、駆除した巣を安全に処理するために、長い棒や剪定ばさみ、そして巣を入れるための厚手のゴミ袋が必要です。夜間の作業となるため、頭に装着できるヘッドライトがあると両手が自由になり、作業効率が格段に上がります。赤いセロファンをライトに貼っておくと、蜂を刺激しにくいと言われています。これらの装備を一つひとつ丁寧にチェックし、完璧な状態で身にまとうこと。その緊張感が、あなたを蜂の反撃から守る最大の盾となるのです。
完全防備で挑む!アシナガバチ駆除の服装と道具