害虫・害獣の種類別対策法を網羅

2026年1月
  • 過去に蜂に刺された人が知るべき抗体検査と毒のリスク

    「子供の頃に蜂に刺されたことがあるけど、あれは何蜂だったっけ?」そんな曖昧な記憶を持っている人は少なくありません。しかしハチ毒に対するリスク管理においてはこの「過去の記憶」が非常に重要な意味を持ちます。もし過去にアシナガバチやスズメバチに刺された経験があるならばあなたの体内にはハチ毒に対する「IgE抗体」が形成されている可能性があります。これは次に刺された時にアナフィラキシーショックを引き起こすための準備が完了している状態、いわば時限爆弾を抱えているような状態かもしれません。この不安を解消し正確なリスクを知るために有効なのが医療機関で行える「ハチ毒抗体検査(特異的IgE抗体検査)」です。皮膚科やアレルギー科で採血を行いスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチそれぞれに対する抗体価を数値化して調べることができます。検査の結果、抗体価が高い(クラスが高い)と判定されればアナフィラキシーショックのリスクが高いと診断されます。ただし抗体価が高いからといって必ずしもショック症状が起きるわけではなく逆に低くても症状が出ることもあり絶対的な予言ではありませんが重要な目安にはなります。リスクが高いと判断された場合、医師から「エピペン」の処方を提案されることがあります。エピペンはアナフィラキシー発症時に自分で太ももに注射するアドレナリン製剤で一時的に症状を緩和し病院に到着するまでの時間を稼ぐための命綱です。特に林業や造園業、農作業など日常的に蜂と遭遇する機会が多い職業の人やアウトドア愛好家にとって自分の抗体レベルを知っておくことは必須の安全管理と言えます。また過去に刺されてから数十年経過している場合、抗体価が下がっていることもありますが油断は禁物です。検査費用は保険適用外となるケースもありますが(刺された直後の治療の一環なら適用されることも)、安心と安全を買うコストと考えれば決して高くはありません。自分の体質を知ることは漠然とした恐怖を具体的な対策へと変える第一歩です。過去の刺傷体験を軽視せず一度専門医に相談してみることを強くお勧めします。

  • アナフィラキシーショックとアシナガバチ毒の恐ろしい関係

    蜂に刺される事故において最も恐ろしい事態といえばアナフィラキシーショックです。これはアレルギー反応の一種であり短時間のうちに全身に激しい症状が現れ処置が遅れれば死に至ることもある緊急事態です。多くの人がスズメバチによる被害を連想しますが実はアシナガバチの毒もまたアナフィラキシーショックを引き起こす主要な原因の一つとなっています。むしろ生活圏に密接している分、遭遇率が高く無防備な状態で刺されるケースが多いためアシナガバチによる事故は後を絶ちません。アナフィラキシーショックは体が毒(アレルゲン)を記憶し二度目以降の侵入に対して過剰に攻撃することで起こります。一度目に刺された時に体内では「IgE抗体」という物質が作られます。これが準備された状態で二度目に刺されると毒が入ってきた瞬間に抗体が反応しヒスタミンなどの化学伝達物質が大量に放出されます。これにより全身の血管が拡張し血圧が急激に低下したり気管支が収縮して呼吸困難になったりするのです。アシナガバチの毒にはホスホリパーゼA1や抗原5といったアレルゲンとなりやすいタンパク質が含まれておりこれらが強力な感作(アレルギー体質になること)を引き起こします。症状は刺されてから数分から15分以内に現れることが多く全身のじんましん、冷や汗、動悸、吐き気、腹痛、声のかすれ、息苦しさなどが前兆として現れます。さらに進行すると意識の混濁や失禁、チアノーゼが見られ心停止に至る危険性があります。ここで重要なのは「自分はアシナガバチに刺されたことがないから大丈夫」という考えが通用しない場合があることです。先述の通りスズメバチとアシナガバチの毒は似ているためスズメバチに刺された経験がある人がアシナガバチに刺されてショックを起こすこともあります。また「一度目は大丈夫」という通説も絶対ではありません。稀に体質によっては一度目の刺傷で重篤な症状が出るケースもありますし子供の頃に刺された記憶を忘れていて大人になってから「初めて」だと思って刺されたら実は「二度目」でショックを起こしたという事例もあります。アシナガバチは軒下やベランダ、植え込みの中など身近な場所に巣を作るため洗濯物を取り込む際やガーデニング中に不意に刺されるリスクが高いのが特徴です。アナフィラキシーショックへの対策としては自分がアレルギー体質かどうかを知っておくことが有効です。

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