公園での水遊びや、家族でのキャンプ。夏は子供たちにとって楽しいイベントが満載ですが、同時に虫刺されのリスクも高まる季節です。大人の場合、虫刺されは一時的なかゆみで済むことが多いですが、子供、特に乳幼児の場合は、大人が考える以上に症状が重くなることがあり、特別な注意が必要です。その理由の一つは、子供の皮膚が大人に比べて薄くデリケートであること。そして、免疫機能がまだ未熟なため、虫の毒成分に対して過剰なアレルギー反応を起こしやすいからです。そのため、大人なら少し赤くなる程度の虫刺されでも、子供の場合は大きく腫れ上がったり、痛々しい水ぶくれができてしまったりすることが珍しくありません。さらに、子供の虫刺されで最も警戒すべきなのが、「掻き壊し」による二次感染です。子供は大人と違ってかゆみを我慢することが難しく、無意識のうちに患部を強く掻きむしってしまいます。これにより水ぶくれが破れ、傷口ができてしまうと、そこから細菌が侵入し、化膿してしまうことがあります。特に、子供の指先や爪の間には細菌が多く潜んでいるため、掻き壊しは非常に危険な行為なのです。細菌感染がひどくなると、「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」、通称「とびひ」に発展することがあります。とびひになると、水ぶくれの中の液体が体の他の部分に付着することで、次々と症状が広がっていき、抗生物質による治療が必要となります。このような事態を防ぐために、親ができることは何でしょうか。まず、子供が刺されたらすぐに流水で冷やし、かゆみを和らげます。そして、子供用の虫刺され薬を塗り、掻き壊しを防ぐために、爪を短く切っておきましょう。患部に保護シールや絆創膏を貼るのも有効です。しかし、水ぶくれが大きい場合や、子供が痛がって機嫌が悪い、患部が熱を持っているといった場合は、迷わず小児科か皮膚科を受診してください。子供の虫刺されは、大人の常識で判断せず、常に慎重に対応することが、子供のデリケートな肌を守る上で最も大切なことです。
子供の虫刺されと水ぶくれは特に注意